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そして収益から経費を差し引いた8万円を、「熊本文学隊」にお送りしました。これは詩人の伊藤比呂美さんの呼びかけてはじまったもので、毎秋、石牟礼道子さんの文学を読み継いでいく「石牟礼大学」を開催しています。参加者からの寄付でまかなわれているそうですが、今回の地震で被災された方々のご負担にならないよう、このお金を役立てていただけたらと願っています。
著書にサインすると宮沢章夫さんと堀江敏幸さん
以下は、世話人の田尻久子さんからいただいた挨拶文です。
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「ことばのポトラック」ご参加のみなさま。
この度は、熊本に心を寄せて頂きありがとうございます。
二度の大きな地震と、いまだ続く度重なる余震になかなか心が静まらない日々を過ごしておりますが、街中は日常を取り戻しつつあります。
とはいえ、震源地により近い被害が大きかった場所では、いまだ避難生活を続けていらっしゃる方も多く私たちも心を痛めておりますが、それ以外の方も余震のストレスと、被害が軽いから頑張らねばという義務感で疲弊しているようです。
でも、そんな時こそ言葉が必要なようです。
倒れた本棚を放置していると言いながらも本を求めにくるお客様が多く、再開店した直後は、お店に入った途端にほっとしたと泣き出す方もいらっしゃいました。
今回、大竹さんから「ことばに関するところに寄付をしたい」とご相談頂きまして、「熊本文学隊」が毎年開催している「石牟礼大学」の運営資金に頂けますかとお願いしました。
「熊本文学隊」というのは、詩人・伊藤比呂美を隊長として結成した文学をもりあげるための“ひみつけっしゃ”です。試行錯誤していろいろなことをやってきましたが、私達はやはり石牟礼道子の言葉を世にひろめることを中心にやるべきだと思い至りまして、2年前より「石牟礼大学」というイベントを開催しています。「石牟礼大学」というのは、石牟礼作品を多くの方に読んで頂くために、作家や研究者が石牟礼さんの作品について語る場です。
毎年ぎりぎりの資金繰りで開催し、さらに参加者に寄付を募ってしのいでおりましたが、今回は被災した方々に「お金をください」というのも忍びなく、お願いをした次第です。
水俣病発生から60年が経ちましたが、地震、原発事故・・大きなことが起こるたびに、いまこそ石牟礼道子の言葉を伝えていかねばならないという気持ちが強くなっています。そして、彼女のことばを読むたびに、ことばの力を信じる気持ちも増しています。
今日はみなさんご参加くださって、本当にありがとうございました。
「熊本文学隊」世話人 橙書店代表・田尻久子